2020年7月17日金曜日

スイス生活1ヶ月。



2020年は忘れられない年になる。今年は世界中がそう思っているでしょう。
個人的には今回のスイス移住は大きなチャレンジでした。
準備の段階から何度も試練が訪れて、やっとの思いで渡航ができました。

それは大きな存在に毎回問われている感覚でした。

本当にお前は大丈夫か?
本当に覚悟はあるのか?

こういう感覚は久しぶりで、試されているのかなーとも思ったくらい。
でも終盤はケセラセラな気持ちでドンと構え出しました。
きっと道は開けるだろう・・ポクポクポク・・といつもの調子で。

前回スイスに住んだ私と今回の私はちょっと違う。
前回はたまたま住む場所がスイスになって、ずっとベルリンに憧れ続けていた。
今回は再びスイスに住みたいと思い、スイスでやってみたい事もできた。

 一度離れた土地に戻り暮らす。
またそれが海外となると言葉から変わるので国内とは一味ちがう。
将来的にはもう少し大きな町へ引っ越す計画ですが、渡航から一月が経とうとしているので、今のうちにこの不思議な感覚を記録しておきたいと思います。

私が現在住む町は人口が約3万人。
地元である福岡市の50分の1ほどの人口でとてもコンパクト。
1日あれば町の端から端まで散策できるほどの大きさです。(登山をしなければ・・笑)

散歩をするだけで以前暮らしていた時は当たり前だった事が、まだ今は新鮮に映ります。

例えば、挨拶。
町を歩くと知らない者同士が当たり前のように挨拶をする。
スーパーでも入店する際にはだいたいお客が「こんにちは」とスタッフに声掛けをして入店する。これは日本の田舎もそうだけど、自分が不審な者でない事を伝える意図も含まれていると思います。逆にいうと、無言で入店からお会計まで済ますとかなり不審に見える。

どのくらいの確率ですれ違いざまに道で挨拶するのだろう?
日本で知らない人へ突然挨拶をすると無視されても不思議ではない。
実験も兼ねてこの一ヶ月は毎朝愛犬と散歩へ出る際に、積極的にこちらから挨拶をしている。アジア人が珍しいこの町で、大型犬を連れたチャイニーズ(日本人がほぼいないのでアジア顔=中国人と思われる)が笑顔でスイス語で挨拶をしてくるって、ここでは異様な光景なのですが、それでも今の所ほぼ100パーセントくらいで返事が返ってくる。

先日スイス人の友人達とこの話題になり、日本人は優しくて親切なイメージなのにお店や道で挨拶をしない事に驚いていた。そういえば主人も福岡に来たての時はコンビニでもどこでも「こんにちは」としっかり目をみて挨拶をしていた。「いらっしゃいませ」と言っているのに何故無視をするの?と私も言われていた。

文化や教育の違い、人口の違いなどもあるだろう。所変われば習わしが変わる。当たり前ですが、こういった些細な感覚の違いを少しずつ思い出しながら暮らしております。まだまだリハビリ期間です。
私が日本へ戻った時も最初は難しかったなー今思い返すと。

こちらへ来て自分の異変にもいくつか気が付きました。
1つ目は 衰えたはずのドイツ語。あら不思議・・・会話できてる。
相手の言葉というより気持ちがすっと入ってくる。妙な能力がパワーアップしたみたいです。あとは年を重ねて間違える事へ抵抗がなくなってきたのもありますね。笑

2つ目は、この町を囲むアルプスの山々に対して。
以前は壁が四方八方に立ちはだかっていると感じていたのですが、今回は大きな山の父達が見守っていると感じました。邪魔者扱いから安心感を与えてくれる存在へ。
自分という人間が成長したのか、今の気分なのかは分かりませんが山が許してくれた頃にでも登ってみたいと思います。

そんなことを感じながらゆっくりとこの生活を観察して、引き続き時間と空間を股にかけた壮大な実験を楽しみたいと思います。


Ciao ciao.