2019年12月28日土曜日

::: Bush :::


ここは祖母が住む佐賀の小さな集落にある場所です。
無意識の中で気になっていたモノを見つける為に、
年末にはスマホのアルバムを見るようにしています。
2019年は「やぶ」だったようです。

藪は 怪しくて、たくましくて、複雑でこわい。
それと同時に 、
そこにある全ての物を飲み込むほどの有り余る生命力は
生きる事にまっすぐで愛らしくも感じます。

すでに何枚か作品にしているのですが、
引き続き描いていこうと思っているテーマです。

今年も残すところあと僅か。
街は浮き足立った独特な空気が漂っていて、
やけに大げさに見えます。これぞ日本の年末ですな。

今年は春に個展を開催させていただきました。
PERHAPSの北島さんにご提案いただき、布に植物の絵を描いて展示しよう!
ということになり、丁度昨年の今頃は画材の実験を開始していました。
元々植物を眺めたり育てたりするのが趣味でしたので
とことん観察できた日々がすでに懐かしく、いとおしく感じます。

その後も日課になっていたドローイングを書き続け
今年はずっと手を動かしていた気がします。

さて、1月は最初の展示を控えております。
5日間のみの開催ですが、大きな立体物を製作しました。
それを使ってパフォーマンスを行う予定です。
展示に向けてワクワクそわそわしながら
年を越したいと思います。
それでは、今年も少ない投稿になりましたが
読んでいただいてありがとうございました。よいお年を!

 
ciao ciao.

2019年12月1日日曜日

::: About drawing :::



ひさしぶりの投稿です。
昔から好きで時々描いていたドローイング作品ですが、
2017年にドローイングを使ったインスタレーションをした事がキッカケで
継続するようになりました。

この二年間でどんどんと枚数が増えていきました。
日々行なっている行為ですが、枚数を重ねて
自分の中で行為の意味がまとまってきたので記録しておこうと思います。

人に言葉しにて伝えるまでもない。
文章にも書き起こすまでもない。
絵としてしっかりと描くまでもない。

どうやら、
そんな行き場のない出来事が「線と色」になっているようです。
感覚としては自分しか知らない言語、暗号のようなもの。

たくさんの枚数があるけれど、
不思議と一枚一枚の描いた時の心境を思い出せます。
抽象画の絵画を描く際の感覚と近いのですが、 
違う点は作品の出来上がる「スピード」と実際描いている時の「気持ち」にあります。

絵画に比べてドローイングは早く仕上がります。
思った言葉を口に出して人に伝えるよりも遅く、文章に書き起こすよりも早い。
半熟・・・?状態です。

大きな抽象絵画を描く際は表現したいテーマやコンセプトを
まとめてから取り掛かります。
それに対して日課にしているドローイングは、基本的に「無」です。
無でないほうが描きやすいのですが、「無」のほうが描いている自分が
楽しめるので、極力「空っぽ」で挑むようにしています。

その時の手が気持ちを教えてくれるのだと思っています。 
気がつくと、いつだったかの記憶を描いている事もあり
「あら、あれが気になっていたんだなぁ」と手に教えてもらう感じです。

例えば数日前に道に落ちていた用途のよくわからない謎の部品。
なんの部品なのかなぁ・・・となんとなく思いながら通り過ぎていたのに、
数日後に紙の上にその形が大量に現れてくる。このような事です。

これからまだまだ飽きるまで続けていきたいのですが、
考えや取り組み方がまた変わってくるかもしれません。
それも継続する事の楽しみの1つです。


ciao ciao.





2019年5月15日水曜日

個展振り返り。













5月になり、令和になりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
私はうきうきしております。理由はよくわかりません(笑)!

さて先月4/13より佐賀のPERHAPSさんで開催しておりました

Eri Tsutsumy Drawing Exhibition
『Garden of Lights』

は無事に4/29をもって終了いたしました。
足を運んで頂いた皆様、お時間とれずとも気にかけて下さった皆様
本当にありがとうございました。

わざわざ県外からも沢山の方にお越し頂き、とても嬉しかったです。
お会いできなかった方へも同じ気持ちでおります。感謝。

今回のテーマは祖母の住む佐賀県富士町の「ちやの木」という土地に
生息する山野草や、祖母のお庭を彩る植物たちです。

タイトルの「Garden of Lights」=「光の庭」とは
私が年始にブログに綴っていた亡くなった祖父と最後に見た風景を表した言葉です。
(実は個展のお話をいただいた時から密かにテーマとしてイメージしていたところ、
パハプス北島さんがこの言葉をタイトルとして偶然提案して下さいました。驚き!)

今回は取材も兼ねて改めて「ちやの木」へ訪れ、
祖母に沢山植物の話を聞いてイメージを膨らませました。
実際に蕾が開花するような、新芽が生き生きと伸びていくような
そんな私の春たちをハンカチとキャンバスに向けてドローイングしました。


来場した方々がまた、ニコニコして観てくださるので
とても気持ちがよく、平和で幸せな空間がうまれておりました。
そして、そこで出会った方々が自然と話し込んでいく光景も見ていて和みました。

あと、人生で一度は祖母に個展を見て欲しかったので
その夢が叶ったこともとても嬉しかったです。
お洒落して山から降りてきてくれました。

今回の在廊で更に佐賀が好きになりました。
また次回が楽しみです。



ciao ciao



2019年4月13日土曜日

◎ 作品展示のお知らせ




本日から佐賀にて個展が始まります。

Eri Tsutsumy
Drawing Exhibition
『Garden of Lights』

「ちやの木」という祖母の住む村の近辺にある春の山野草をドローイングで描きました。
ハンカチ作品もあり、風と光に踊る展示空間になりました。

オープニングの本日はシャンパンやワインの振る舞い酒がありますよ。
私はほろ酔い気分で壁にドローイングを描く予定です。
お天気もいいので乾杯しに是非、お越しください。

4/13.sat - 29.mon
11:00 - 19:00
PERHAPS
佐賀市水ヶ江1-2-16
休廊 水・木

■在廊予定
毎週土・日 昼~夕方
※最終週は27(土)なし
28(日) 29(月) 昼~夕方


2019年1月7日月曜日

::: Reminiscence :::







2019年になりました。
あれやこれや綴るべき事は色々とあるのですが、
まずは明けましておめでとうございます。
今年もマイペースに展示の事、作品の振り返り、メモしておきたい思いつき等を
書いていこうと思っております。


ふと2018年を今更年明けに振り返ろうと思って。
昨年も無事に365日生きて全ての日々が過去になりました。大げさですが、毎年年末は不思議な気持ちになるのです。この世界はやっぱり24時間を繰り返して歳を取らせていくなぁとか。子供の頃から知っている人々が大人っぽいことを言い出してたりとか。
あの人もこの人も結婚したり子供がいたり。自分のことは棚にあげて・・・。
 変化をすることが物体としては当然のことだけど、順調にこの世の法則に従っている事が未だに奇妙に思えるのです。

自分のスマホの写真を振り返ると大体気になっていた現象や事柄がわかります。
昨年は「光」を気にして生活していたようです。沢山の陽だまりや木洩れ日、
植物や水面に反射する陽の光などの写真が出てきました。

恐らく3年前に祖父が亡くなった時がきっかけのように思います。
自宅介護の末に癌で亡くなった祖父は息を引きとる数日前からほとんど会話が出来ず
モルヒネのせいか意識も朦朧としており、恐らく目もはっきりとは見えてなかったと思います。そんな中、とても天気の良い12月の昼下がりでした。
私はいつ息を引き取ってもおかしくない弱い呼吸の祖父の横で手をとって見守っていました。ちょうど縁側にベットをおいていたので、きっとこの美しい陽の光は感じれるのではと、冷たい空気を申し訳なく思いながら、障子を思い切って全開に開けてみました。

目を閉じていた祖父はうっすら開けて穏やかな顔で、
庭一面に広がる陽の光を見ていました。私は自宅で最後を迎えたいと思っていた彼の思いがなんとなく理解できた気がしました。ずっとこの山奥のこの家で、あなたは一家を力強く厳しく支えてきたのですね。そして沢山の思い出が詰まっているのでしょう。
そう思い、出来る限り愛を伝えました。意識がある時に伝えたらきっと恥ずかしすぎて無視されていたかもしれません。もしくは「おおきに」ぐらいは言われたかも。

祖父との私の大切な最後の思い出。
光の庭。

作品でもそろそろ表現していこうと思っています。





ciao ciao